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北海道大学 医学部保健学科
大学院保健科学院
大学院保健科学研究院

修士課程

概要

生命医科学や科学技術の急速な進歩・発展により、移植医療、再生医療、生殖医療、遺伝子治療など医療の高度先進化と専門化・細分化と共に、診断・治療機器の高度複雑化、遠隔医療支援システムなど新医療システムの実現化が進行している。このような高度先進医療が広く浸透するにつれて、国民にも高度先進医療への関心や高度医療志向が非常に高まりつつある。これら高度先進医療を支援し、今後さらに発展させ推進するためには、専門医師のみならず、それぞれの高度先進医療に即応しうる確かな専門的知識と優れた医療技術を修得した看護師、保健師、助産師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士などの高度医療専門職(Advanced Health Professionals)の養成が不可欠である。

一方、日本社会は現在、豊かな国民生活を送る上で保健医療において非常に大きな諸問題にも直面している。その第一は、少子化・高齢化による人口構成の急速な変化である。すなわち先進国のなかでも日本では類を見ない速度で高齢化が進んでいる。このことは、疾病構造が高齢者型へ移行し、障害者・要介護者及び高齢者単独世帯の急増を予測させ、在宅ケアを始めとする自立支援・地域生活支援や運動・生活機能の回復支援に対して、効率的かつ経済的な新しい方法論を創出し、それを実践推進する高度医療専門スタッフの人材養成が重要であることを意味する。

第二は、中高年世代においても、不規則な夜型生活、偏った食事、運動不足や睡眠不足などライフスタイルの大幅な変化により、生活習慣病に繋がる可能性の高いメタボリック症候群及びその予備群人口の急激な増加が明らかにされたことである(「平成16年度国民健康・栄養調査結果」)。この調査結果は、個々人の生活習慣病へのリスクを総合的かつ科学的に判断し、特定健診・特定保健指導などの新たな健康政策を地域や企業等で推進したり、健康づくりを自らコーディネートできる高度保健スタッフの育成も急務であることを示している。

さらに、こうした保健医療上の諸問題は、国民における健康増進や疾病予防への関心度を大いに高め、将来にわたるQOL(Quality of Life:生活・生命の質)の維持を重視した新たな健康価値観を生み出している。しかし、時には健康食品や輸入食品、サプリメントへの過剰な依存あるいは科学的根拠の希薄な保健情報への過剰反応が社会問題化することもある。このような状況に対して、疾病への専門的知識を背景として、保健情報の妥当性を判断し、正確な保健情報を積極的に発信できる高度医療専門職の育成も求められている。

本保健科学院は、これらの医療上のニーズ及び社会的ニーズに応えるため、学部教育で培った専門的な医療技術や知識をスキルアップし、また、専門職としての実務経験を生かして、それぞれの専門分野で高度な専門的判断能力と倫理性及び最新の医療技術の実践的能力を有する指導的役割を担う人材やEBH(Evidence-Based Health:科学的根拠に基づく保健)を導入した次世代の保健科学を担う高度医療専門職・教育者・研究者を育成し、また、国際的視野から世界の保健科学研究をリードしうる研究者を育成する。

教育理念・目的

  1. 最新の知識と実践技術を有する高度医療専門職および指導者の育成
  2. 次世代の保健科学を担う高度医療専門職および教育・研究者の育成
  3. 専門分野をこえて世界の保健科学研究をリードする研究者の育成

本保健科学院は、保健科学への医療及び社会の大きなニーズに応えるため、学部教育や実務経験で培った専門的な技術や知識を向上させ、高度な専門的判断能力と医療技術の実践能力を身につけ、エビデンスに基づく保健科学の発展を担う高度医療専門職および保健科学研究をリードする教育者・研究者を育成することを目的とする。

博士後期課程

概要

北海道大学は、大学院に重点を置く基幹総合大学であり、1876年に設立された札幌農学校から現在に至る長い歴史のなかで培われてきた「フロンティア精神」、「国際性の涵養」、「全人教育」及び「実学の重視」という教育研究に関わる四大基本理念の下に、社会に対する説明責任を認識し、21世紀における知の創成、伝承、実証の拠点として発展することを目標としている。

保健科学は、健康者、未病者及び疾病回復者などを対象として身体的・精神的・社会的に健全な生活を維持および増進させるという幅広い概念を含有した「健康」について探求する学際的な学問領域である。北海道大学では、伝統的な学問領域分野で蓄積された研究成果を発展的に継承しながら、先端的・学際的な研究と知識・技術の教授を目的として「学院・研究院」構想を推進している。

この構想の下に、保健科学領域の人材育成を行う教育上の目的から「大学院保健科学院」を、また、研究上の目的から「大学院保健科学研究院」を平成20年4月に設置した。「大学院保健科学院保健科学専攻修士課程」は、北海道大学の四大基本理念を継承しつつ、近年の急速な少子高齢化による人口構成やライフスタイルの大幅な変化に伴う疾病構造の変貌とメタボリックシンドロームや生活習慣病の著増など、保健科学・保健医療上の喫緊かつ多様な課題に的確に対応しうる高度医療専門職者(Advanced Health Professionals)の養成と学術的貢献を行うために、毎年優秀な人材を選別して教育研究を実施している。

しかしながら、急速に変化する保健医療情勢や常に発展し続ける高度先進医療においては、その専門的知識と技術を受動的に学ぶだけでなく、自らの先見性と探求心によって保健科学的立場から新たな問題点を発見してそれを追求すると共に、保健科学研究のリーダーシップをも担って自立的な研究を推進し、その成果を世界に発信する研究能力と後世に伝承する教育能力を備えた人材を将来に亘って継続的に育成することが是非とも必要である。

このような保健医療上及び学問的ニーズに応え、修士課程における教育研究をさらに深化発展させるために、「大学院保健科学院保健科学専攻博士後期課程」を設置することとした。本課程の設置により、人間の健康回復と健康保持増進に貢献する保健科学という学問的体系を確立し、それを発展・継承させる研究者・教育者となるべき人材を育成して、わが国の保健科学領域における高等教育及び学術研究水準のさらなる向上と発展に寄与するものである。

教育理念・目的

教育研究理念

保健科学という学問的体系を確立させ、保健科学の教育研究成果を世界に発信することにより、その成果を人類社会に還元し、人間の健康回復と健康保持増進に寄与することを教育研究上の基本理念とする。

教育目標

  1. 臨床研究マインドと医療管理能力を兼備した高度医療専門職者の育成
    高度医療専門職者としての先進的専門知識と技術を修得し、医療機関や地域社会において保健科学領域各分野での指導力とリーダーシップを発揮して臨床研究を推進し、将来的に医療管理者となるべき人材を育成する。
  2. 保健科学という学問的領域を発展させる研究者の育成
    大学や企業などの研究機関において保健科学におけるオリジナルな研究を独自の視点で追求し、その成果を世界に発信してそれぞれの専門分野における学問的基盤を確立し、発展させることのできる研究者となるべき人材を育成する。
  3. 保健科学の学問的成果を継承させる教育者の育成
    保健科学という学問的領域を発展させるために、大学での学部教育や大学院教育及びその他の高等教育機関において高度な専門的知識と技術を教育研究指導することのできる教育者となるべき人材を育成する。

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