私たちの研究室では、病原性自己抗体による疾患発症メカニズムや、病態への関与についての研究を行っています。
抗糸球体基底膜(Glomerular basement membrane: GBM)抗体とは、肺胞や糸球体の基底膜に対する自己抗体です。抗GBM抗体の認識部位(α3(IV)NC1)は立体構造的に隔絶された状態にあるため、通常は自己抗体が産生されることはありません。しかし、何らかの原因で認識部位が露出状態となることで、自己抗体が産生され、それらが基底膜に結合することで抗糸球体基底膜抗体病を発症します。
私たちは、抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody: ANCA)関連血管炎患者に抗GBM抗体が産生されることがあることから、抗GBM抗体産生におけるANCAの関与について研究しています。