核家族化や共働き世帯の増加、出産年齢の高齢化、分娩施設の減少などにより、現代の妊産婦は十分なサポートを得られにくく、多様な困難に直面しているといえます。臨床で助産師として勤務していた間は特に、特定妊婦やメンタルヘルスの問題を抱えた妊産婦が年々増加していることを実感しておりました。
現在はメンタルヘルスの問題に着目し、睡眠が与える影響について妊産婦を対象とした研究を行っております。これまでは、客観的指標となるアクチグラフ(米国AMI社)を用いて出産後の母子の睡眠を測定し、母親が認識する新生児の気質も併せて、疲労や産後うつ症状への影響について研究を行っておりました。心理社会的問題を抱える妊産婦への支援において、周産期に継続的に接触する機会がある助産師が果たす役割は大きいと考えます。助産師が実施可能で、より質の高い助産ケアのエビデンスを確立し、臨床現場へ還元していくことを目指していきたいと考えております。