統合失調症と躁うつ病者への客観的な自動車運転評価および支援法の開発に関する研究に取り組んでいます。統合失調症や躁うつ病は、現在の道路交通法において、免許の拒否又は保留の事由となる相対的欠格の対象疾患とされていますが、一体どのような症状がどの程度ある場合に欠格事由に該当するのか明確な基準は示されておらず、運転を自ら諦めてしまう当事者の方が多くいるのが現状です。現在、ドライビングシュミレータやドライビングレコーダーを使用した運転評価に関する研究だけでなく、fNIRSを用い脳機能的側面から運転能力を捉えることを目指す研究も実施しています。
また、精神科リハビリテーションの発展に向け、統合失調症者の心理社会的決定要因に関する研究についても主要なテーマとなっています。現在得られた知見から、服薬管理やADLなど日常生活面、コミュケーションや社会参加など社会的側面および就労、就業面へのアプローチ方法はそれぞれ異なるのではないかという仮説を持って研究に取り組んでいます。