細胞内の酸化と抗酸化の不均衡から生じる酸化ストレスは、腎疾患を含む種々の疾患の発症に関与するとされています。生体内の活性酸素種(ROS)の主要な産生源はミトコンドリアであり、ROSの蓄積によるミトコンドリア機能の障害は、最終的に細胞死をもたらします。近年では、食品由来成分に含まれる抗酸化物質は、酸化ストレスを除去することによって腎疾患を改善したと報告されています。
本研究室では、食品由来成分を用いて、糖尿病性腎症を含む腎疾患に対する改善効果、特にミトコンドリアの保護効果に着目しています。主に以下の研究を中心に疾患に関する病因解明および由来成分の新規生理活性の探索を目指して研究を行っています。
1) 酸化ストレスに対する食品由来成分の保護作用
2) 食品由来成分のミトコンドリア機能の促進および改善効果
3) 脂質毒性・糖毒性に対する食品由来成分の保護作用