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北海道大学 医学部保健学科
大学院保健科学院
大学院保健科学研究院

2026年度第2回保健科学セミナー開催報告「放射線事故・原子力災害に備える地域医療従事者・放射線専門職の役割」(2026.06.15)

2026年6月15日(月)に保健科学セミナー「放射線事故・原子力災害に備える―地域医療従事者・放射線専門職の役割―」を開催しました。本セミナーは、北海道大学原子力規制人材育成事業「オープン教材を活用した原子力規制人材育成プログラムの拡充」の一環として、教員・学生を対象に実施したものです。

はじめに、北海道電力株式会社の蒲原淳氏が、「泊発電所の安全対策等について」と題して講演しました。北海道の電力供給と泊発電所の概要、加圧水型原子炉の仕組みを紹介した後、安全性を大前提として、安定供給、経済効率性、環境適合を同時に追求する「S+3E」の観点から、泊発電所の位置づけを説明しました。さらに、福島第一原子力発電所事故後の新規制基準を踏まえた安全対策として、耐震補強、津波を想定した防潮堤、森林火災・竜巻・火山への対策、電源と注水手段の多重化、水素爆発や放射性物質の拡散を防ぐ設備、重大事故を想定した訓練などを具体的に示されました。

続いて、原子力規制庁放射線防護企画課長の黒川陽一郎氏が、「原子力災害時の対策とその際の医療従事者等の役割」と題して講演しました。冒頭では早押しクイズを取り入れ、参加者との軽妙なやり取りを交えながら会場を大いに盛り上げました。その後、JCO臨界事故や福島第一原子力発電所事故を経て整備されてきた原子力災害対策の歴史と教訓を解説しました。防護措置の判断枠組み、避難と一時移転の違い、屋内退避や安定ヨウ素剤、緊急時モニタリングについて、平易かつ実践的な説明がなされました。また、原子力災害拠点病院・原子力災害医療協力機関の体制に加え、診療放射線技師が担う避難退域時検査や甲状腺被ばく線量モニタリング、被ばく傷病者への対応などが紹介され、放射線の専門知識を有する人材への期待が示されました。

事業者による施設側の安全対策と、規制行政による地域防災・医療対応を一度に学ぶ貴重な機会となりました。原子力災害への備えを多面的に理解するとともに、保健医療分野を学ぶ学生や教職員が、自らの専門性と社会的役割について考える有意義なセミナーとなりました。

投稿日: 2026年07月28日

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