中村 真弥さん(博士後期課程2年)の研究がJournal of Human Lactation誌 Podcastで紹介!
産褥早期の授乳による乳頭損傷に対して深層学習による分類システムの開発(博士後期課程2年 中村 真弥さん)など一連の研究がJournal of Human Lactation誌 Podcastで紹介されました。
Journal of Human Lactation(5-Year Impact Factor: 2.5)は、The International Lactation Consultant Association (ILCA)の機関誌です。そしてILCAは、「母乳育児と熟練した授乳ケア」によって世界中の人々の健康促進を目指す団体です。このたび、博士後期課程2年の中村真弥さんが行った3つの研究について、同学会のPodcastなどで広く紹介されました。いずれも、産褥早期の授乳によって母親の乳頭に生じる「乳頭損傷」への支援に焦点を当てた研究です。「母乳で育てたい」と願う母親が、授乳による乳頭の痛みに耐えられず、産後すぐに母乳育児を諦めてしまうことがあります。中村さんは助産師として、こうした課題に科学的にアプローチし、より効果的な支援方法を確立することで、母子が望む期間、安心して授乳を続けられるようサポートしたいと考え、研究に取り組んでいます。
まず、中村さんの“An Evaluation of the Signs of Nipple Trauma Associated With Breastfeeding: A Delphi Study”論文は、授乳実践におけるエビデンスの発展に寄与したとして、2023年の年間トップ5論文に選ばれています。そして、2024年度には2つの論文が同誌からパブリッシュされました。Nakamura M, Luo Y, Ebina Y: Systematic Review on the Efficacy of Moisturizing Therapy in Treating Nipple Trauma and Nipple Pain. Journal of Human Lactation 2024 は数ある乳頭損傷の対処法のなかで、「保湿の有効性」について検討したシステマティックレビューです。特任助教、アンビシャス助教の羅 云潔先生の指導によるものです。そして、2本目の論文Nakamura M, Sugimori H, Ebina Y: Development of Nipple Trauma Evaluation System With Deep Learning. Journal of Human Lactation 2024は、深層学習を用いて乳頭損傷を客観的に分類するシステムを開発した研究です。こちらは医用生体理工学分野准教授の杉森博行先生(副指導教員)の指導によるものです。乳頭損傷の分類に深層学習を用いる試みは世界初であり、損傷の種類に応じた適切な対処法の解明に寄与する可能性があります。これにより、母乳育児をしている家族への支援方法が変わるかもしれないと、Podcast内で語られています。
以下のPodcastよりぜひお聞きください。
The Journal of Human Lactation Podcast
Podcastでは、中村さんの研究や論文についてJournal of human lactationの編集長 Ellen M. Chetwynd, PhD, MPH, BSN, IBCLCとアシスタント エディターのAdina Kopinsky, BA, IBCLCが対談しています。
当教室の活動の様子は以下のページでもご覧になれます。
助産学/母性看護学/女性医学教室ホームページ
指導教員:蝦名 康彦