2人の脳活動を同時計測できる脳磁計の構築に成功~オンラインコミュニケーションの分析評価に期待~(健康科学分野 横澤宏一教授)
ポイント
- 対面・対話している2人の脳から発生する磁場を同時に計測できるシステムを構築。
- 社会生活の根本であるコミュニケーションの脳機能を解明。
- オンラインコミュニケーション社会の基盤整備への活用に期待。
概要
北海道大学大学院保健科学研究院・脳科学研究教育センターの横澤宏一教授、同大学病院の齊藤卓弥教授らの研究グループは、同大学に設置されている「脳磁計」を2台連結し、仮想的に対面・対話している2人の脳活動を同時に記録できるシステムを構築しました(図)。
「脳磁計」は脳から自然に発生する磁場を高感度の磁力計で計測して脳の活動を可視化する機器で、1/1000~1/100秒の脳活動も記録できます。2台の脳磁計は約500m離れていますが、双方の顔が見える仮想対面システムを高速の光ファイバーで連結しているため、全く違和感なく対面・対話ができます。視線やまばたきも重要なコミュニケーション手段なので、双方の視線が合致するハーフミラーも備えられています。メタバース空間と同様に、アバター化して対面・対話することも可能です。これにより、自然なコミュニケーションに伴って2人の脳が同期して活動する様子が記録でき、オンラインコミュニケーション社会の基盤整備への活用が期待されます。
なお、本研究成果は、2022年6月24日(金)公開のPLOS ONE 誌に掲載されました。
- Construction of a fiber-optically connected MEG hyperscanning system for recording brain activity during real-time communication (DOI:10.1371/journal.pone.0270090)
※詳細は北海道大学プレスリリースをご覧ください。
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投稿日:
2022年06月24日