北海道大学医学部保健学科/大学院保健科学院/大学院保健科学研究院

保健学科長メッセージ

ようこそ!保健学科へ

保健学は、広く医学の中にありますが、けがや疾病に直接的に対処する行為や対策よりも、健康体もしくは病気等の前段階(いわば疾病予備軍)における予防と予知、健康維持・増進(殊に精神的な健常維持)、そして治療後の更正や老化への取組みなどに重点を置く学問です。この点から、広義の予防医学(一次予防:疾病の予防や健康増進、二次予防:疾病の早期発見と早期措置、三次予防:疾病の再発防止やリハビリテーション)と位置づけることも可能です。現代の医学と医療における課題は、移植・再生医療、遺伝子治療、感染症対策、少子高齢化社会や生活習慣病への対応など、多岐にわたっていますが、保健学では、病院の中にいる患者さんを含め、国民の大多数の人たちの、出生から死に至るまでのより良い生活を支援する技術や方策を学びます。

看護学の創始者といえるフローレンス・ナイチンゲールは、「看護とは、体内で自然治癒力(回復のシステム)が発動し易いように、常に最良の条件・状況を生活過程の中に創ることである」と言いました。この考えは、本保健学科にある5つの専攻(看護学、放射線技術科学、検査技術科学、理学療法学、作業療法学)全般の基本精神でもあります。戦後比較的長く平穏な時代を過ごしてきた日本人には、戦いや食料不足による死の可能性がほぼなくなり、新生児・乳児死亡率が減少し、幾つかの不治とされた病が克服された結果、長寿命がもたらされました。しかし、肥満や高血圧といった生活習慣病や、新種の感染症などに対する新たな課題を抱えることになりました。また、人間の尊厳をも損ねるかもしれない過度の延命治療や医療過誤は、我々がどう生きるべきか、どのように共存して行くべきか、といった根源的な問いを投げかける一方、薬剤や医療に係る費用の増加が大きな社会問題になりつつあります。保健学では、医療専門職の資格を得るための勉学のみならず、こうした今日的な問題に取り組むことのできる人材が求められています。

本学の保健学科は、医学部の中に属し、医学科と並存する学部課程です。しかし、大学院(修士課程・博士)と教員組織は、大学院保健科学院・保健科学研究院として独立した組織となっています。分かりづらい組織形態とはなっていますが、保健学科の学部生と大学院生・教員(さらには事務職員や研究員など)が同じ建物内にて日々活動しており、一つの部局として機能しています。また、全学的な取り組みとも呼応して、海外の大学や医療機関との学生交流も盛んに行われています。

これからの社会にとって、人材・研究成果ともに、非常にニーズの高いこの保健学において、高い志をもって勉学に励む諸君を、心から歓迎いたします。

医学部保健学科長 伊達 広行

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