北海道大学医学部保健学科/大学院保健科学院/大学院保健科学研究院

概要と教育理念

概要

医学部保健学科は、平成15年10月1日に設置され、看護学専攻・放射線技術科学専攻・検査技術科学専攻・理学療法学専攻・作業療法学専攻の5専攻からなる4年制の医療系学科で、看護師・保健師・助産師・診療放射線技師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士を養成します。これら医療専門職は、医療の現場で欠くことのできない重要な役割を担っています。

平成16年度入学の学生が卒業した平成20年には大学院修士課程(2年制)が、平成22年には大学院博士後期課程(3年制)が設置され、各職種の指導的立場に立てる人材および教育・研究者の育成を目指しています。

教育目標

  1. 豊かな人間性を育む全人教育(教養教育と専門教育の2本立て)
  2. 保健医療に対する総合的視野と専門的知識・技術を身につける教育(実学の重視)
  3. 国際的視野を持った保健医療従事者の育成
    (言語教育によって語学力を磨き、教養教育によって異文化を理解する能力を養う)
  4. フロンティア・スピリット※1を持った指導者・教育研究者の育成

求める学生像

“Be Gentleman”※2(ビー・ジェントルマン、紳士たれ)

  1. 他人の痛みを理解でき、感性豊かで人間性あふれる学生
  2. 高い倫理観を持ち、協調性のある学生
  3. 周囲の状況を的確に把握し、自分を冷静にコントロールできる学生
  4. 向上心を持ち、自ら進んで学習する意欲のある学生

※1 フロンティア・スピリットとは
「技術をうみだすのは人です。人をいかすために、自然をかえていく中から、技術がうまれ、機械を発明してきました。たいせつなのは、自然をかえていくスピリット(精神)です。 それこそが、フロンティア・スピリット(開拓者魂)なのです。(アメリカから日本に向かう船の中でのW.S.クラーク博士の言葉)」
>>「(社)東京エルム会より引用」

※2 “Be Gentleman”とは
札幌農学校の教則を定めるために、当局はまず 仮学校以来の規則※3をクラ-クに示した。クラ-クは即座に、このようなこまごました規則で生徒を縛っては 人間をつくることはできないと言い、代わりに、“Be Gentleman”(ビー・ジェントルマン、紳士たれ)の一語で足りる、と断言した。 生徒は自らの良心に従って自らを律することのできる紳士であるべきだし、そのことを生徒に期待するというのである。」
>>「(社)東京エルム会より引用」

※3 規則について
生徒規則は、信義を本とし、法則を守り、学業に勉励し、長を敬し幼を助け、たがいに礼儀を厚くし、校長・教員および級長の命に背いてはならないこと(第1条)にはじまり、 遅刻しないこと(第3条)、授業中席を離れないこと(第4条)、校内で大声を出したり口笛を吹いたりしないこと(第7条)、器物などを損傷したり障壁に落書きしたりしないこと(第8条)、 室内に2人以上を招き入れたり、酒菓などを持ち込んだり他の室に泊まったりしないこと(第13条)等々が続き、洗濯物があるときは、月曜日の夕食後、 袋に入れ室番号や個数を記して室外に出しておくこと(第22条)で終っている。
>>「(社)東京エルム会より引用」

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

医学部の学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

医学部では、本学の4つの基本理念(フロンティア精神、国際性の涵養、全人教育、実学の重視)の下、人類の健康増進に資するための体系的な教育を行うことにより、豊かな人間性、高い倫理観および国際的視野を備え、医学、医療又は生命科学の実践および発展に寄与する人材を養成することを教育目標としています。
医学部では、この目標とする人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)を学科毎に定め、当該能力を身につけ、かつ、所定の単位を修得した学生に学士の学位を授与します。

保健学科の学位授与水準

保健学科では、医学部の教育目標に基づき、①豊かな人間性を育む全人教育、②保健医療に対する総合的視野と専門的知識・技術を身につける教育、③国際的視野を持った保健医療従事者の育成、④フロンティア・スピリットを持った指導者・教育研究者の育成、を教育目標として、次の能力をもつと認められる学生に対し、学士の学位を授与します。

【知識・理解】

  • 保健科学・看護学のリーダーとしての幅広い教養と高い専門性を身につけている。
  • 保健科学・看護学の実践者としての専門知識およびその知識体系を身につけている。
  • 保健科学・看護学を取り巻く文化・歴史・社会・環境を理解することができる。

【汎用的技能】

  • 多様化・複雑化する課題を発見し、その本質を理解できる能力を身につけている。
  • 課題解決に必要な情報を収集し、分析・判断・解決できる能力を身につけている。
  • 高い学問的および臨床的な探究心を有し、幅広く社会に還元することができる。

【態度・志向性】

  • 保健科学・看護学をリードし、チーム医療を実践できる能力を身につけている。
  • 保健科学・看護学の実践者・研究者として、社会的責任感と自己管理能力を身につけている。
  • 多様化する価値観の中で、高い倫理観を有し、実践することができる。
  • 生涯にわたって最新の保健科学・看護学を理解し、実践することができる。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

医学部の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

医学部では、人類の健康増進に資するための体系的な教育を行うことにより、豊かな人間性、高い倫理観および国際的視野を備え、医学、医療又は生命科学の実践および発展に寄与する人材を養成する目的を達成するため、医学を学ぶ医学科と、看護学、放射線技術科学、検査技術科学、理学療法学、作業療法学を学ぶ保健学科を設置し、専門家および研究者を養成する基礎となる体系的な教育を展開します。これらの学科では、全学共通の「全学教育科目」と体系的に配置された「専門科目」をもって、学士課程(医学科では6年間、保健学科では4年間)における教育課程を編成します。
専門科目では、学科毎にカリキュラム・ポリシーを定め、それぞれ育成する人材像に沿ったカリキュラムを編成し、実施します。

保健学科の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

医学部保健学科では、学位授与水準に定めた能力を持つ人材を育成することを目標として、以下のとおりカリキュラムを編成し、実施します。

  • 主に1年次学生を対象とする全学教育科目では、専攻する分野にかかわらず、本学の学生であれば当然身につけておかなければならない共通の素養として、高いコミュニケーション能力、人間や社会の多様性への理解、独創的かつ批判的に考える能力、社会的な責任と倫理を身につけることを目的として、カリキュラムを編成します。具体的には「一般教育演習」、「総合科目」、「主題別科目」、「外国語科目」、「外国語演習」、「共通科目」に区分される教養科目(コアカリキュラム)を開講します。
    また、専門科目を学ぶ心構え、基礎知識を身につけることができるように、基礎科目を開講します。
  • 2年次以降では、看護学、放射線技術科学、検査技術科学、理学療法学、作業療法学の5専攻に分かれ、それぞれの専攻に関する専門性を深めるため、専門科目を開講します。専門科目では、医療を担うにふさわしい人間性と、高度医療を支える医学知識と技術を身につけることを目的として、教育課程を編成しています。

『看護学専攻』

  • 2年次では、看護学の基礎的能力を養うため、社会保障・福祉論、保健医療概論、公衆衛生学概論、医療統計学、栄養学などの保健医療福祉領域の基礎的理解を深める科目、保健解剖学、保健生理学、保健薬理学、成人健康障害論、病理学概論などの人体の構造・機能や疾病、病態に関する基本的な理解を深める科目、そして看護学概論、看護過程論などの看護学の基礎的理解を深めるための科目、看護ヘルスアセスメント、生活援助看護技術Ⅰ・Ⅱなどの基礎的な看護技術に関する科目を配置する。
  • 3年次では、2年次に学んだ基礎知識をもとに、看護の対象となる人と環境を理解し、科学的根拠に基づく看護学の実践と専門職としての倫理観の習得に向けて、成人看護学援助論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、老年看護学援助論、精神看護学援助論、母性看護学援助論、小児看護学援助論、在宅看護学援助論などの臨床看護学に関連する科目とともに、 環境保健学、健康と疫学などの環境、地域に関連する科目を配置する。さらに、基礎看護学実習、成人看護学実習Ⅰ、母性看護学実習、小児看護学実習、地域看護学実習を配置し、看護実践に関連する基礎的能力を獲得する。2年次と3年次の学習を通じて、学位授与水準に定めた【知識・理解】の能力の向上を図る。
  • 4年次では、学位授与水準に定めた【汎用的能力】【態度・志向性】の能力を向上する
    ために、「看護学実習」と「卒業研究」および複数の選択科目を配置する。成人看護学実習Ⅱ、老年看護学実習、精神看護学実習、在宅看護学実習、および看護統合実習を配置し、大学病院での急性期ケアから地域における在宅療養まで含む多様な健康ニーズに対応しつつ、他職種と連携しながらチーム医療を実践し、ヘルスケアをマネジメントする基礎的能力の獲得を目指す。また、高度化する医療を理解し、国際的な観点で活動するため、看護倫理、看護教育・管理、先端医療と看護、災害看護論、ヘルスプロモーション看護、実践医療英語などの科目を配置する。卒業研究では、自己の課題とともに看護学の課題を探求するための研究能力の向上を図る。

『放射線技術科学専攻』

  • 2年次では、放射線技術科学の基礎能力を養うため、解剖学・生理学・生化学・病理
    学、画像解剖学などの医学系科目、放射線物理学や放射線化学・放射線生物学などの理学系科目、電磁気学や放射線機器工学、画像工学、放射線計測学など工学系科目を配置する。
  • 3年次では、2年次に学んだ基礎知識を放射線技術科学に統合する応用能力を養うため、画像診断学、 撮影技術学、核医学、放射線腫瘍学、放射線治療技術などの放射線技術科学領域が配置されており、更に、放射線を適切に医療応用するための放射線防護学、放射線関係法規などの放射線関連科目を配置する。2年次と3年次の学習を通じて、学位授与水準に定めた【知識・理解】の能力の向上を図る。
  • 4年次では、学位授与水準に定めた【汎用的技能】・【態度志向性】の能力を養成するため、臨床実習と卒業研究を開講する。臨床実習では、臨床での実践を通じて高い倫理観のもと、チーム医療を実践できる能力、社会的責任感と自己管理能力の向上を図る。卒業研究では、高度化する放射線技術科学分野の課題に取り組むことにより、課題解決に必要な情報を収集し、分析・判断・解決できる学問的・臨床的な探究能力の向上を図る。

『検査技術科学専攻』

  • 2年次では検査技術科学の基礎能力を養うため「専門基礎分野」科目を配置する。
    まず、「人体の構造・機能」の理解のため、保健解剖学、保健生理学、代謝生化学、生体機能学、組織解剖学、組織学実習、生体計測学概論を、1学期を中心に配置する。2学期では「疾病・障害の成り立ち」の理解のため、病理学概論、臨床病態学を配置する。「保健・医療の基礎」に関わる科目は2年次から4年次にわたり多数配置するが、2年次には保健・医療概論、社会保障・福祉論、公衆衛生学、医療情報科学、臨床心理学を配置する。「専門分野」科目として「検査技術科学の基礎」となる臨床検査学、検査機器学、医用工学概論、生体分析学、臨床血液学、生化学実習、臨床検査学実習を配置する。「検査技術科学の習得」のための科目としての臨床化学、免疫検査学、微生物学を2学期に配置する。
  • 3年次では2年次に学んだ基礎知識をもとに、「疾病・障害の成り立ち」の理解のための科目として器官病理学、「検査技術科学の基礎」に関する実習科目として医用工学概論実習、臨床血液学実習、生体機能学実習、病理学実習、病理組織細胞学実習などを配置する。「検査技術科学の習得」のための科目として臨床化学実習、臨床微生物学、臨床生理学、検査管理学、病理組織細胞学、遺伝子検査学、医動物学、画像検査学、微生物学実習、医動物学実習、免疫検査学実習、臨床生理画像学実習を配置する。「保健・医療の基礎」に関わる科目として公衆衛生学実習、医療統計学、地域調査法、健康食品学を配置する。2年次と3年次の学習を通じて、学位授与水準に定めた【知識・理解】の能力の向上を図る。
  • 4年次では、学位授与水準に定めた【汎用的技能】、【態度・志向性】の能力を養成するため、「臨床実習」と「卒業研究」を配置する。「臨床実習」では、北海道大学病院、検査・輸血部、病理部、超音波センターを中心とする臨床現場の実習を通じて、高い倫理観のもと、チーム医療を実践できる能力、社会的責任感と自己管理能力の向上を図る。「卒業研究」では高度化する検査技術科学分野の課題に取り組むことにより、課題解決に必要な情報を収集し、分析・判断・解決できる学問的・臨床的な研究能力の向上を図る。「保健・医療の基礎」に関わる科目として4年次では食品関係法規、関係法規、国際保健学、チーム医療演習を配置する。

『理学療法学専攻』

  • 2年次では理学療法学の基礎能力を養うため「専門基礎分野」科目を配置する。まず、「人体の構造・機能」の理解のため、解剖学、生理学、人間発達学を配置し、その後に「人体の構造・機能」の知識・理解を深めるため、解剖学実習および生理学実習を配置する。また、「疾病・障害の成り立ち」の理解のため、神経障害学、運動器障害学、内部障害学、精神障害学、老年医学、発達障害学を配置する。「専門分野」科目としては「理学療法学の基礎」となるリハビリテーション概論、理学療法概論、運動学、運動機能評価学を配置する。さらに、「保健・医療の基礎」に関わる科目として保健・医療概論、公衆衛生学概論を配置する。
  • 3年次では2年次に学んだ基礎知識をもとに、理学療法学の臨床において実践する能力を養うための「理学療法学の実践」科目として運動療法学、物理療法学、義肢装具学、運動学実習、運動機能評価学実習、運動療法学実習、物理療法実習、義肢装具学実習を配置する。そして、理学療法学の各専門領域を深く学ぶ「専門的理学療法の知識習得」科目として運動器系理学療法学、神経系理学療法学、体力科学系理学療法学、スポーツ障害理学療法学を配置する。さらに、国際的な理学療法学の動向に目を向け、理学療法学の研究手および法を修得するために理学療法研究法演習を配置する。また、「保健・医療の基礎」に関わる科目としてリハビリテーション医学、地域リハビリテーション、医療統計学を配置する。以上の2年次と3年次の学習を通じて、学位授与水準に定めた【知識・理解】の能力の向上を図る。
  • 4年次では、学位授与水準に定めた【汎用的技能】・【態度志向性】の能力を養成するため、臨床実習と卒業研究を開講する。また、理学療法の専門領域でリーダー的あるいは指導的役割を担う人材を育成するための「保健・医療の基礎」の理解を深める科目として北方圏生活環境学、職場管理学、チーム医療演習、遠隔医療システム演習を配置する。臨床実習では、臨床での実践を通じて高い倫理観のもと、チーム医療を実践できる能力、社会的責任感と自己管理能力の向上を図る。卒業研究では、高度化する理学療法学分野の国内および国際的な課題に取り組むことにより、課題解決に必要な情報を収集し、分析・判断・解決できる学問的・臨床的な探究能力の向上を図る。

『作業療法学専攻』

  • 2年次では、作業療法学の基礎能力を養うため、「専門基礎分野」科目を配置する。「専門基礎分野」科目は、解剖学・生理学等の基礎医学系科目、臨床心理学・人間発達学等の心理学系科目、精神医学等の臨床医学系科目、社会福祉系科目から構成される。また、作業療法概論等作業療法学の基礎に関する「専門分野」科目を配置する。
  • 3年次では、前半で引き続き臨床医学系科目を配置する。また2年次または3年次前半に学んだ基礎知識をもとに、実学としの作業療法学を習得するため、「専門分野」として、作業療法に関する評価学・治療学の講義・実習を配置する。さらに、4年次の卒業研究の基礎となる調査・研究法に関する科目を配置する。2年次と3年次の学習を通じて、学位授与水準に定めた【知識・理解】の能力の向上を図る。
  • 4年次では、学位授与水準に定めた【汎用的技能】、【態度・志向性】の能力を養成するため、総合的な臨床実習と卒業研究を配置する。臨床実習では、臨床での実践を通じて高い倫理感のもと、チーム医療を実践できる能力、社会的責任感と自己管理能力の向上を図る。卒業研究では、高度化する作業療法学分野の課題に取り組むことにより、課題解決に必要な情報を収集し、分析・判断・解決できる学問的・臨床的な研究能力の向上を図る。
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